女性泌尿器科
女性泌尿器科について
「女性泌尿器科」の外来診療では、女性医師が同性のデリケートな悩みに寄り添います。
泌尿器科か婦人科かどちらに行ったらいいか分からないといった場合でもどちらの科でも柔軟な対応が可能です。待合室や診察室は、産婦人科と共有しており、男性患者がいないため、お気軽に受診していただけます。
泌尿器科は、尿管・尿道・膀胱・腎臓といった尿の生成・排尿に関係する臓器や、副腎などの内分泌系の臓器、尿路とその周辺 臓器を対象とする診療科です。扱う病気は、尿道炎・膀胱炎・尿路結石・腎盂腎炎・頻尿・尿失禁・神経因性膀胱などの良性疾患から、膀胱がん、腎細胞がんなどの悪性腫瘍まで広範囲に及びます。
状態や症状に応じて治療と対策方法があり、薬物療法・理学療法（骨盤底筋体操や⾼強度テスラ磁気刺激装置など）の両方の用意があります。痛みや違和感を感じるときは、我慢せずに、早めにご相談ください。
泌尿器科でよくみられる症状
日常生活の中で、以下のようなお困りの症状はありませんか？
泌尿器科でよくみられる症状と疾患で、特に産後に見られる症状として以下のようなものがあげられます。
- 尿が漏れてしまう（尿失禁・尿漏れ）
- 排尿時に痛みがある（排尿痛）
- 尿がまったく出ない（尿閉）
- 排尿後も尿が残っている感じがする（残尿感）
- 尿が出にくい、尿の勢いが弱い（排尿困難）
また産後に限らず、以下のような症状や疾患がある場合は泌尿器科での早めの受診をおすすめします。
- 尿が漏れてしまう（尿失禁・尿漏れ）
- 排尿時に痛みがある（排尿痛）
- 尿がまったく出ない（尿閉）
- 排尿後も尿が残っている感じがする（残尿感）
- 尿が出にくい、尿の勢いが弱い（排尿困難）
- 尿に血が混じる。血尿を指摘された（血尿）
- 尿が近い、尿の回数が多い（頻尿）
- 夜の排尿回数が多い（夜間頻尿）
- 急にトイレに行きたくなって漏れそうになる（尿意切迫感）
- 左右いずれかの腰部に痛みがある
- 腎臓のあたりが痛い
- 排尿困難や排尿痛とともに発熱がある
- 下腹部に痛み、違和感がある（下腹部痛・下腹部違和感）
- 健康診断などで尿潜血を指摘された
日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもあります。気になる症状や痛みがある場合、泌尿器に心配なことがあれば、一人で悩まず何でもお気軽に ご相談ください。
主な疾患と治療法
女性の泌尿器疾患では、排尿痛、頻尿、尿失禁などの症状が多く現れますが、かゆみや痛み、発熱などを起こすこともあります。 女性には、月経・出産・閉経などがあるため泌尿器にトラブルを起こしやすいとされています。ここでは、主な疾患と治療法について詳しく解説します。
主な疾患
女性泌尿器科で多い疾患には以下のようなものが挙げられます。
- 尿失禁（尿漏れ）
- 膀胱炎
- 骨盤臓器脱（子宮脱/膀胱脱）
- お湯漏れ
尿失禁（尿漏れ）
女性は妊娠や出産、更年期などの影響で骨盤底が緩み、尿失禁（尿漏れ）を起こしやすい傾向があります。
尿漏れのタイプには、次のようなものがあります。
| 腹圧性尿失禁 | 咳やくしゃみ、重いものを持ち上げるなど、お腹に力が入ったときに尿が漏れるタイプです。骨盤底筋体操や電気刺激療法、薬物療法、手術療法などで治療します。 |
| 切迫性尿失禁 | 急に尿がしたくなり、トイレに間に合わずに漏れるタイプです。骨盤底筋体操や電気刺激療法、薬物療法などで治療します。 |
| 混合性尿失禁 | 腹圧性と切迫性の両方の症状があるタイプです。 |
尿漏れは年齢とともに生じやすくなりますが、薬や器具、手術による治療、適切な体操などによって改善することがあります。腎臓にダメージを与える可能性もあるため、症状があったら放置せず早めに泌尿器科を受診しましょう。
膀胱炎
女性は尿道が短いなど構造上の問題があって膀胱炎になりやすいとされています。
症状として、膀胱壁から白血球（自己免疫）がでてきて菌を追い出そうとすることで壁に炎症が起きるため、以下の症状があらわれます。
| 頻尿･残尿感 | 頻繁に尿意を感じるため、1回の尿量が減少し、少ししか出ない状態です。 |
| 排尿時痛 | 排尿の終わりに下腹部痛や違和感を感じることがあります。 |
| 血尿 | 膀胱壁が荒れることで出血が起こり、尿に血が混じることがあります。（血尿が見られない場合もあります。） |
| 白濁尿 | 尿が白く濁る状態です。尿中の白血球が増えることで、尿の臭いが強くなることもあります。 |
免疫力が低下すると発症しやすくなり、尿意を我慢することで発症リスクが上がることになりかねません。また、清潔にしなければ、と過度に洗浄を行うことで再発を繰り返しがちです。悪化させると腎臓にも感染が拡大してしまう可能性があるため、症状が治まってからも医師が完治を判断するまでしっかり治療を続けましょう。
再発予防には、水分の積極的な摂取、尿意を我慢せずすぐトイレに行く、そして過剰な洗浄は避けて清潔を保つことが大切です。
骨盤臓器脱（子宮脱/膀胱脱）
人間は直立しているため、腹部臓器が下に落ちてしまわないようふだんは骨盤底筋群という強力な筋肉や靭帯がしっかり支えています。女性は妊娠や出産で骨盤底筋群にダメージを受けやすく、骨盤底筋群は筋肉ですから加齢や閉経で衰えるとゆるみがでてきます。骨盤臓器脱は、ダメージやゆるみによって骨盤底筋群が腹部臓器を支えきれなくなり、膣から膀胱や子宮、直腸などが飛び出してしまう病気です。骨盤臓器脱は膀胱脱、子宮脱、直腸脱などに分けられます。
| 膀胱脱 | 膀胱が腟壁より飛び出てくる状態 |
| 子宮脱 | 子宮が下垂して脱出してくる疾患 |
| 血尿 | 膀胱壁が荒れることで出血が起こり、尿に血が混じることがあります。（血尿が見られない場合もあります。） |
| 直腸脱 | 直腸と腟の間の壁が弱くなることで、直腸が腟から脱出してくる疾患 |
進行して脱出程度が悪化すると出血やかゆみなどを起こすことがあります。
早期には下腹部の違和感、頻尿、残尿感、便秘などを起こすことが多いのですが、軽度であれば負担が少ない治療で改善が見込めます。
お湯漏れ
お湯漏れは入浴後、腟の中に入ったお湯が後から出てくる症状です。
多くの人が経験するものの、医師に相談すべき症状だと認識していなかったり、産後だから仕方ないとそのままにしてしまったりするケースが見受けられます。
「お湯もれ」のある方は、前後の腟壁がぴったり合っておらず、その空間に水が入り込むわけで、出産の後遺症で骨盤底がゆるむとよく起きます。若い方でも少なくありません。
膣のお湯漏れそのものは深刻な問題と感じないかもしれませんが、原因となる骨盤底筋の衰えを放置していると、尿漏れや骨盤臓器脱などにつながる可能性もあります。
当院で受けられる治療法
女性の泌尿器疾患で特にお悩みの多い尿もれ、頻尿、膀胱炎について当院での治療法は以下の通りです。
薬物療法
女性泌尿器科領域の薬物治療として、尿もれ、頻尿、膀胱炎には以下の薬を取り扱っています。実際にどの薬剤を使用するかは、年齢や薬の治療歴により、相談しながら医師が決定します。
| 薬剤の名称 | 対応する主な疾患・病状 | 特徴 |
|---|---|---|
| ベタニス | 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁 | ・尿意切迫感や頻尿、切迫性尿失禁などの症状を改善 ・副作用少なく、妊娠希望の方にも使用可能 |
| ベオーバ | 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁 | ・膀胱の神経伝達物質の受容体に作用して膀胱を弛緩させることで、症状を改善 ・排尿機能にも悪影響を及ぼしにくい ・年配の方によく使用 |
| ベシケア | 過活動膀胱における尿意切迫感や頻尿、切迫性尿失禁 | ・膀胱の過剰な収縮を抑える ・膀胱に尿をためやすくなり、症状の改善効きがよい ・口内乾燥や便秘、排尿困難などの副作用が起こる可能性がある |
| ニューキノロン系抗菌剤 | 急性膀胱炎、膀胱炎や腎盂腎炎 | ・抗生物質内服治療用 ・1日1回 3〜4日の内服 ・様々な感染症に効果があり |
| セフェム系抗生物質 | 膀胱炎（急性膀胱炎） | ・抗生物質内服治療用 ・1日3回 1週間処方 |
骨盤底筋体操
骨盤底筋体操は、骨盤底筋を鍛えることで臓器の支持力が向上し、尿漏れや骨盤臓器脱の予防、体形の維持などに効果が期待できる体操です。
骨盤底筋を鍛えながら尿道括約筋の機能回復をはかります。毎日続けることで、尿道や肛門が引き締まり、しだいに尿漏れの頻度は少なくなることが期待できます。
① 仰向けに寝て、足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げて立てて、からだをリラックスさせます。
② その姿勢のまま5秒程度、肛門、尿道、膣全体を締め、陰部全体をじわじわっと引き上げる感じで締めます。
③ その後は、力を抜いてからだをリラックスさせます。
④ 「②締める」「③力を抜く」を、1分間のサイクルで10回（10分間）繰り返し行ってください。
合計1日4セット（朝、昼、夜、就寝前）毎日続けてみてください。
これによって骨盤底筋が鍛えられます。
効果が現れるまで約3ヶ月くらいかかります。
骨盤底筋体操は、隙間時間を見つけて様々なタイミングで行うことのできる簡単な体操です。無理のない範囲で日常生活の中に取り入れ、継続してみてください。
スターフォーマー
椅子に30分座るだけで5万回の筋収縮運動！
鍛えにくいインナーマッスル（骨盤底筋）を強化！
「スターフォーマー」は、薬に頼らない尿もれ治療として、内臓臓器を下支えする骨盤底筋を強化する画期的なデバイス（高強度テスラ刺激HITS）です。骨盤底筋群とは、尿や便の排泄、性機能、姿勢をささえる複数の筋肉の総称で、加齢や出産などによって衰えると、さまざまな不調、機能不全を引き起こします。スターフォーマーは、骨盤底筋に磁気刺激を与えて筋力を強化し、健康と美容の維持に役立ちます。
スターフォーマーの効果としては、主に以下の３つが期待されます。
- 骨盤底筋群の筋力強化
- 頻尿、尿もれ、過活動膀胱対策
- 下半身悩み（膣のゆるみ）・生殖機能改善
女性ヨガ
女性特有の悩みを「ヨガ」で改善しましょう。
ヨガは、骨盤底筋群の柔軟性を高めたり、強化したりすることで尿漏れの予防や改善に役立ちます。骨盤底筋群は尿意をコントロールする筋肉で、硬くなっていたり、逆に緩みすぎたりすると尿漏れにつながる可能性があります。
ヨガの呼吸法やポーズによって、骨盤底筋群を緩めたり緊張させたりすることが可能です。また、寝ながら行うヨガポーズは体幹や骨盤底筋を鍛えることができ、尿漏れの軽減にも効果が期待できます。
女性ヨガでは以下の症状の改善が期待されます。
- 尿漏れ
- 月経困難症
- PMS(月経前症候群）
- 更年期障害
- 腰痛、肩こり
当院では、女性ヨガクラスを開催しています。
| 開催日 | 土曜日（不定期：月一回程度） 9:15-10:30(75分） |
| 料金 | 当院通院 4,000円 一般 5,500円 |
| 予約方法 | 下記ボタンからご予約ください。 教室 > 女性ヨガクラス |
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